抗生物質で全性病は治療可能?

抗生物質で全性病は治療可能?

性病にもいろいろありますが、一般的に思い浮かぶのは「クラミジア」と「淋病」です。この2つは非常に感染力が強いため、罹患者も多く、関心も高くなっています。

コレラに感染した場合、通常は抗生物質で治療します。質も向上してきたため、クラミジア、淋病とも1週間程度で治るようになっています。

しかし最近、抗生物質が全く効かないクラミジアや淋病が増えているのです。今後さらに増える危険性があり、世界保健機構のWHOが警鐘を鳴らしています。

なぜ、このような現象が起きているのでしょう。それは、抗生物質の耐性を持った菌ができてしまったからです。このため、現在では淋病を治療する場合、注射薬と併用するか、あるいは注射薬だけで治療することが一般的になっています。

耐性菌ができたのは、抗生物質の乱用、誤った利用などによるものと考えられています。まず、乱用ですが、日本では風邪をひいたときにも処方されます。

これは世界的な常識からすると異常なことで、昔から日本は抗生物質を出しすぎだと言われていました。これによって、耐性菌ができやすい環境ができてしまったのです。

誤った利用も問題です。つまり、医師から処方されたとおりに服用しない場合です。高熱となり、医師から1週間は飲み続けるように指示されながら、熱が下がったからといって、飲むのをやめてしまう人がいます。

医師はその人の状況に合わせて処方しているので、途中で服用をやめてしまうことも、耐性菌を作り出してしまう原因となるのです。性病治療を繰り返すことも、耐性菌を作り出す原因となります。

クラミジア、淋病は他の性病と比べると簡単に治すことができるため、罹患、治療を繰り返す人がいます。これによって、どんどん治りにくくしているのです。

クラミジアや淋病は現代では当たり前の性病ですが、重症化する場合もあります。重症化すると、前立腺炎や不妊症になることもあるので、注意が必要です。

淋病の新型、耐性菌淋病が初めて発見されたのは、日本なのです。風俗店で働く女性ののどからでした。性病が蔓延するのは、性器経由だけではありません。

感染力の強い病気ですから、のどにも感染しますし、気が付かずに重症化してしまうこともあるのです。その意味でも怖い病気といえます。

今のところ新型の耐性菌淋病で亡くなった人はいません。しかし、油断はできません。新型淋病は日本のほか、フランス、オーストラリア、スウェーデンなどで発症が報告されています。

報告がない地域でも感染が予想されますから、世界中に広がっていると見た方がいいでしょう。治療しにくい病気であることは確かです。コンドームの着用や検査の実施など、予防に心掛けることが重要です。